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「勉強の哲学」を読んだ

同僚がオススメしていた「勉強の哲学」を読んだ。

感想

「勉強とは、自己破壊である」という一文から一章が始まる。私たちは周囲の「ノリ」に合わせて生きているが、勉強とはこれまでの「ノリ」に従っていた自分を破壊し、あえて「ノリの悪い人」になることだと書かれていた。
確かに新しいこと学んだ時に、今までとは違う捉え方や考え方をして、場合によっては以前の自分を否定することもあるので、その考え方に納得した。

一方で、そういった「ノリ」があるからこそ私たちは行動を決めることができる。だからこそ、私たちは有限性(=不自由・ノリ)と付き合いながらも、自由を追求する方法を考える必要があるといったことが書かれていた。
これらの内容を読んで、、私の好きな小説『四畳半神話大系』の「我々という存在を規定するのは、我々が持つ可能性ではなく、我々が持つ不可能性である」と文脈は異なるものの、同じような考え方に近いなと感じた。

特に印象に残ったのは「人間は『言語的なヴァーチャル・リアリティ(VR)』を生きている」という一文だ。
現実のリンゴを見たとき、私たちは「リンゴ」という言葉を通して認識している。しかし言語は「リンゴはクジラだ」といった現実には存在しないものも表現できる。言語自体は現実から分離しており、言葉の組み合わせによって無限の可能性が生まれる。これは文学作品の面白さの本質でもあると感じた。

自由になるための二つの思考法として「アイロニー」(批評を行う姿勢)と「ユーモア」(見方を変える態度)が提案されていた。普段の自分はユーモアでの思考が多く、アイロニーによる考え方が不足していたと気づかされた。この本を読み終えてから、数日経つが、生活の中でアイロニーでの思考も意識することが増えて、自分の考え方が変わった。自己破壊された。

本には、アイロニーやユーモアを過剰に行うことの問題点とそれに対するアイロニー的/ユーモア的な有限化についても書かれていた。

読書が遅い自分でも1週間で読み終えることができたので、読みやすいと思う。新しい考え方やハッとするようなことがたくさん書いてあるので読んでほしい。

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yukyu(a.k.a ugo)

映像・文房具・コメダ珈琲・デザイン など幅広く好きなエンジニア。

普段はReact、Ruby on Railsをつかって開発をしています。